2019年3月16日(土)フリーアナウンサーの町亞星さんをお迎えして、セミナーを開催しました。
高校生の時から10年間、お母様の介護をされていた町さん。
ご自身の体験を多くの人に語り、ご自分も様々な活動に身を置いて継続してこられました。
講師紹介:町 亞聖さん
小学生のころからアナウンサーに憧れ、1995年日本テレビにアナウンサーとして入社。
その後、報道キャスター、厚生労働省担当記者としてがん医療、医療事故、難病などの医療問題や介護問題などを取材。2011年にはフリーに転身。
高校生の時、脳障害のある母の介護が始まり、その後母と父をがんで亡くす。介護の経験を記した著者「十年介護」を出版し、医療と介護を生涯のテーマとして取材や啓発活動を続けている。
町さんのお話を一部ご紹介します。
車いす1万人プロジェクト 招待ではなく、自らきてもらうというコンセプトで、2020年がゴールではなく、その後も見据えた活動をされています。
メンバーは千葉商科大学などの学生、自動車メーカー、旅行会社、アナウンサー等の伝え手、トラベルヘルパーなどの旅のプロのサポーターなど多種多様です。
参加した学生は車いすに乗ってみて段差での動きずらさ、周囲からの視線など感じ,視点が変化したとのこと。車いすでの移動は車での移動に比べて3倍以上の時間がかかります。
車椅子1万人プロジェクトのターゲットとしては、外出をあきらめてしまっている施設などに入所している高齢者の方の他、障害を持っている方も多く参加されているそうです。
千葉商科大学の学生さんとは、「風の村」に定期的にボランティアに通っています。当初は受け入れが難しいこともありましたが、定期的に通っているうちに人間関係が構築されてきました。ご本人や施設のスタッフに聞くとオリンピックを観に行きたいとおっしゃいますが、実行するにはいくつもの課題があります。その課題を解決するために、どのようにサポートしていくか検討が必要です。(千葉商科大の学生さんが、来月クラウドファンディングの活動をしていきます)
なぜ高齢者や障害を持った方は「やりたいこと」をあきらめてしまうのでしょう。その原因は周囲の人も含めた、思い込みや決めつけなのかもしれません。病気や障害により以前まで出来ていたことが出来ないと思い込んでしまっていないでしょうか。
もちろん「あきらめない」実例もたくさんあります。
ALS患者(厚労省への働きかけによりヘルパーの痰の吸引を制度化)、がん患者(新薬の承認の為の活動)、重度障害(施設を出て地域での自立を目指しての活動)、認知症(絶望から希望へ)、パラリンピアン(障害とともに生きて活動する)などなど
町さんのお話を受け、参加者全員が4つのグループに分かれて、それぞれの「あきらめてしまったこと」「あきらめざるを得なかった理由」「課題」などをディスカッションしました。
1G
一般の市民、多職種に対しての情報提供が不十分な事が課題。
現在は外部からの支援を受けてから施設での看取り支援、多数の行事(利用者がやりたい事を叶えるために年間250くらいは実施。)を出来ている。
⇒介護と医療でのルールが異なる事は当たり前だが、そこをつなぐのが多職種連携。
2G
・何かトラブルや問題があった時の責任、金銭的な問題などが阻害要因になる。
・情報、支えてくれる人、成功体験、考えすぎにやってみるという事がプラスの要因となる。
⇒出来ない理由を探してしまいがち。施設であれば施設長、在宅であれば家族が覚悟、決断をしていく事が必要。
3G
・家族が遠距離で介護が十分にできなかった。
・自宅に帰りたいといったが、つれて帰れなかった。
・家族以外の親族の理解が難しい。
・施設への要望がなかなか伝えられない
・がんになったが、今後も趣味や資格習得などを実施してきたい。
⇒出来なかった事を悔いる事ではなく、その思い残しを次の人につなげていく事が大事なのではないか。
4G
・高齢者などの救急体制問題に関しての問題。自宅で看取りのケースが増えてくると思うが、その際に望まない医療をされるケースもあると思うので今後システムづくりも含めて必要。
個々の知識、健康観などを国民が考える事で地域など条件に関係なく考えていけるのではないか。
・施設から地域へ出てみる
・夢を語れる場所、社会づくり
⇒声を挙げられない人達にどのようにアプローチしていくかが課題。
最後は恒例の記念撮影。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
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