第1回勉強会「知恵袋」開催しました

10月22日(日)季節外れの台風接近で、雨風強まる中、

第1回勉強会「知恵袋」を開催いたしました!

 

テーマは「『快』適な排便のために」

運営メンバーも含めて14人、様々な職種の方が集い、たっぷり2時間、学びをシェアし、語りあいました!

 

 

今回の知恵袋担当は、POOマスター養成講座を修了した、当会副会長の渡辺です。

排泄のケアの根本を考えるための、問いかけからスタートです。

 

あなたにとって快適な排便とは?

今までに便秘や下痢で悩んだことはありませんか?

排便に問題がある場合にどのようなケアをしてきましたか?

排便は毎日でないとは便秘ですか?

 

現在では、4人に一人は便秘と下痢の繰り返し、便秘で悩んでいる人は1000万人ともいわれています。

学校で排便することができないなど、子どもの排便に関する問題も増えています。

 

誰もが、排泄のコントロールがつき、気持ち良く排泄できるように。

排泄は健康づくりの要でもあります。

 

排泄ケアを行うにあたっては、

排泄障害の予防、排泄障害の治療、排泄障害が問題にならないケア、という3つの視点を持ち、

・排泄介助・オムツ交換・導尿・浣腸・摘便などのを安楽に気持ち良く行う直接的スキル

・排泄に関する情報を収集し、整理し、どのような状態であるのか、どのような対処が必要か判断するアセスメントスキル

・信頼を得るためのコミュニケーションスキル

このようなコンチネンスケアのスキルを高めていくこと求められています。

 

そもそも排便とは、以下の3要素で成り立っています。

・食事:便の嵩に関わる食物繊維、便の性状に関わる水分量、腸内の善玉菌を増やす食品

・トランジット:便が腸を移動する速さ、便の性状と相関する

・アウトレット:便を貯留し排出するための直腸肛門機能

 

直腸に便がたまり「便意」を感じたら、正しい姿勢で、腹部に力を入れて「いきみ」を加えることで、便が排出されます。

排便時の正しい姿勢とは、やや前傾で足が接地している、みなさんご存知「ロダンの考える人」の姿勢です。

 

 

国内での便秘の基準は、

3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態(日本内科学会)

排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指す(日本消化器病学会)

 

3日便がないと下剤、浣腸で便を排出させている・・・というケアが多い現状ではありますが、排便周期には個人差があります。

どのような便がどの周期で出ているのか、食事内容は?お腹の動きは?

食物繊維の量で便の量が決まり、便が大腸を移動するスピードによって便の硬さが変わります。

「排便日誌」をつけて、排便の三要素について、しっかりアセスメントをして、「気持ち良く便が出せる」ケアを考えていきたいものです。

 

レクチャーの後は、生活を支える看護師の会名物となりました「ディスカッッションタイム」に突入です。

 

 

・ストレス性の下痢をする、ウォシュレットがないと排便できない人、排便の問題は多岐にわたっている。

・在宅の患者さんの下剤が増えていると感じたり、高齢者に合わない便座があったり、そもそも座ってもらうためのケアができていないこともある。

・わかっていそうでわかっていなかった排便。支援者がしっかり状況を把握していかなければならない。

・今まで、便について意識していない生活を送っていた。

・自分の排便についての体験を含めて話し合う場を作る。

・子どもの頃からの排便の教育が必要である。

・嵌入便(直腸内に便の貯留が続き便意が消失してしまう。便汁の漏出が見られ、下痢と間違えられることもある)を意識していきたい。

・過度の便秘で入院する高齢者もいる。

・ご家族が排泄介助している場合は、訪問看護時やデイサービスで排便が出るようなコントロールをしていることもある。

・下剤に頼りがち、マイナス3日で下剤を使うことも多い。

・介護福祉士の基礎教育で排便の仕組み、アセスメントを学んでいる。

・ヘルパー・介護福祉士とどのように「便」について語り合っているのか、振り返り、現場で協働していきたい。

・大人だけでなく、子どもの排泄の悩み。後天的に習得する機能であることを意識する。

 

・専門の言葉が多くて、わからないことが多かった。

・便のことについてこれだけ考えたのは初めて。

・排便のコントロール、看護師がしてくれていても、それがいいことかわるいことかわからない。

・一般の人々、医師にどのように説明したら良いかわからない。

・質問ができるための知識を一般の人が知ることも大切。

・生活の一部である排便について、同じテーブルで話をできるように。

 

あっという間の2時間。まだまだ話し足りないのですが、雨が強くなっていることもあり、集合写真を撮って解散しました。

足元の悪い中、ご参加いただきましてありがとうございました!

 

アンケートの一部をご紹介します。

 

●本日の感想

・少しでも訪問の現場で活かせる知識を得たいと思っていました。期待を上回る知識、ツールを教えていただき早速事業所でも伝え、チェックリストは取り入れていこうと思いました。

・グループワークで得意気に看護師的な話をしてしまいましたが「一般の人は行ったことの半分も分からなかったはず」と言われ、伝える優しさや視野の広さが足りなかったと、はたと気付き、その溝が広がらないことも大切で、今後この会をきっかけに視点を変え、利用者や家族に分かりやすい話ができる看護師でいたいと思いました。

・便を通して排泄のことを改めて考える良い機会でした。

・体の本質から変えていく、考え直すことの大切さを考えなければならないと思いました。

・便について改めて考えることができた。

・思ったより便について深く考えていないことが分かった。

・専門職と一般の人との知識、考え方の違いが浮き彫りになりました。

・うんちについて学べる機会を持てた。

・専門職の方と一般の人とを繋げる場ができそうで嬉しいです。

・「快」便の大切さを改めて学ばさせていただきました。

・「食」と並んでこれからこの知識を拡げていけたらと思います。

・食べる、出す、寝るがとても大切と思っています。「出す」ことに関してもWebなどではいろいろ情報はありますが、実際に会って話し合えるのがとてもよかったです。

・POOマスターも出来れば取りたいです。

 

●「知恵袋」に参加し、私が明日から出来る(変えられる)こと

・職場でしっかり考えられるよう、広めていきます。

・日本国民全体に知識の共有を目指しましょう。

・排便で悩んでる方に、排便日誌をお勧めしたいと思います。

・先ずは排便日誌をスタッフで記入してみます。

・うんちの観察。

・排便チェック表を使いたい。

・ロダン君、やっていきたいです。

・自分が疾患を持っていることで、それを強みにして一般の方や、同じ苦しみを感じている人のために何ができるか考え、伝えていく視点も持っていきたいです。

 

・全面的に生活態度、習慣を改めます!

 

次回は公開シンポジウムです。またみなさんとお会いできることを心待ちにしております!

平成29年11月25日(土)「在宅介護を支えるために〜介護者の声から学びを深めよう〜」