情報交換会「職場のメンタルヘルスを考えよう」

2019年1月27日(日)15〜17時

第5回情報交換会「職場のポジティブメンタルヘルスを考えよう〜健康経営とは〜」開催しました。

 

プレゼンターは生活を支える看護師の会副会長、石原志津子(看護師、居宅介護支援専門員)でした。

 

親の介護・看取り、自身の3度の癌経験から介護保険事業や訪問看護を通して在宅療養に力を入れ看取り支援をしてきましたが、2018年、癌の再発を機に退職。「自身の健康がなければ仕事はきない」という思いからヨガインストラクターや健康管理アドバイザーの資格を取得。(エイジングケア らしく)として、セミナーやパーソナルケアの活動をしています。

 

働き方改革法案の改正による有給消化の義務化など、職種に関わらず職場環境の健全化が重視されるようになってきました。メンタルヘルス不調者が多い環境である看護・介護現場。“健康経営”とは何なのか、“ポジティブメンタルヘルス”とは、なぜ今重要視されるのかという基本的な情報提供から、健診やストレスチェックなど社内で行われることが活用されているのかという現場の話や、企業効果や労働生産性に至る広い視点での健康管理の重要性についての話が展開されました。

 

また、健康増進に積極的に取り組む企業が社会的に評価(優遇)される仕組みの整備などが追い風となっている現状についても聞く機会となりました。プレゼンティズム問題(出勤しているものの何らかの理由で生産性が低下している状態)についてや、健康経営はコスト問題ではなく経営戦略として捉えていくものだという新たな認識も得ることができたと思います。

 

 

今回のおせっ会は少人数でしたので、全員参加のフリーディスカッションとなりましたが、興味深い意見や現場の声を聴くことができました。

 

 ・ストレスチェックをしても、フォロースキルのある産業医にたどりつかない。

・健康診断の結果を重要視しない(できない)若い世代がいるのではないか。

・有給や残業時間削減が義務化されても、そもそもの仕事量が減らないのでは解決に繋がらない。

・介護士の(過労や重労働に対する)危機感が薄いと感じる。

・訪問看護でのオンコール対応が労働時間のなかでどう位置づけられるのか。

・施設の変形労働制では超過勤務(残業)の取り扱いに問題があるのではないか

・自身の体調不良や子供の病気などで欠勤することにストレスがかかる(休めない)。

・人材が足りない中でどうやってゆとりを捻出するのか。

・外国からの留学生が日本の医療現場を見て「遅くまで働いている」ことに驚いていた。

・個人の熱意や想いで支えられている職場が多いが、持続性が確保できない。

・そもそも企業で健康管理をするのではなく、かかりつけ医など地域で継続的に支える必要がある。

 

これらの意見から現場を見つめなおし、何をめざすのか、自分にできる事は何かを各自が改めて考える機会になったのではないかと思いました。

 

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。